東山動植物園(愛知県)

動物たちとの関わり方。

名古屋市に昭和12年に開園した「東山動植物園」があります。日本国内では唯一ここの2頭のゾウだけが終戦時まで生き延びたという「象列車」で有名な動物園です。今はそれよりも、イケメンゴリラのシャバーニで有名と言った方が良いでしょうか。園内は広く、平日でもたくさんのお客さんで賑わうここに、ある個性的な飼育員さんがいます。

お名前は、渡邉友治さん。彼は私が東山動物園を初めて訪れた時にアジアゾウの担当をしていました。その頃の話をすると長くなるのでまた別の機会にさせていただけたらと思いますが、これまでに渡邉さんにはゾウだけでなく本当に色んなことを教えていただきました。その中で1番熱心に話して下さるのは「動物たちとの関わり方」について。こんなにも一般の来園者に熱心に話してくれる飼育員さんは珍しいのではないかと思います。現在はキリンの担当の他にホッキョクグマやこども動物園の動物たちも見ていて、他にも必要があればどの動物のためだって労力を惜しまない。人よりも動物たちの環境をどう良くしてあげられるかを1番に考えているんだと思います。

今回はその渡邉さんが今、力を入れている「こども動物園」のお話。

こども動物園ふれあい広場に暮らすヤギとヒツジの生活空間。来園者の空間を広く確保するために、ヤギたちはとても狭い空間で暮らしていました。そこで現在、渡邉さんとこども動物園のスタッフさんたちで自前の拡張工事を進めているそうです。

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ヤギたちの暮らしているエリア。右側のフェンスの部分が最近広げたところ。ヤギたちが行き来できるように丸太なども運んで来たそうです。

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ヤギたちが青草をもらいました。この草が大好きみたいです。

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なんだかとっても幸せそうな顔に見えるのは私だけですかねー?

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広げたフェンスの中で、次はどうしようかと相談する渡邉さんとスタッフさん。

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「次はこうしようかと思ってるんだけど。」と地面に絵を描いてスタッフさんに説明する渡邉さん。横で聞きながらとても楽しみになりました。

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こども動物園担当のスタッフさんは時々こうしてトレーニングを行っているそうです。

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ヒツジのヤエちゃんとヤヨイちゃん。広い外に放されてもスタッフさんにきちんとついて行きます。ヒツジたちの「この人、好き。」という感情が伝わってくるようです。

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その様子を羨ましそうに乗り出して見ていたヤギさん。

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今度はラマさんのトレーニング。時々、渡邉さんが動物たちのリードの仕方をアドバイスします。

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お客さんがいても落ち着いてリードできている。とても良い関係が築けているんですね。

動物たちとの関係性を築き、住む環境をその動物たちに合った行動ができるような変化のあるもの(単に場所を広くするということではなく)にすることで、動物たちの心に余裕ができ、行動が変わり、新しい環境の変化を怖がらなくなったり、発情がきちんと来るようになったり、体の機能が正常になってきたりするそうです。

昨今の動物園では動物たちの環境改善に様々なことが行われています。でも、例えば人にとって良いと感じる広くて立派な展示スペースも動物たちにとってはやはり囲われた限りある場所。多少広げたところで狭いことには変わりありません。それに、人が管理することで生きている動物たちは何もエサだけもらっていたら生きていけるわけではないですよね。言葉では通じ合えない人間と動物。だからこそ、動物たちを近くで観察し、何を望んでいるか、どうすれば少しでも楽しく暮らせるか、想像して行動に移して、愛情を注ぎ続けることが大切なんだなと感じました。

動物たちは望んで動物園に来たわけではありません。せめて、少しでも動物たちの幸せのために。そんな優しい気持ちが見える「こども動物園」の変化をこれからも楽しみにしたいと思います。渡邉さん、こども動物園のスタッフさんたち、頑張ってくださいねー!

最後に、今回撮った他の写真も。

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キリンって下にあるエサはこんな体勢で食べるのね?初めてみました。

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今日もキリントークにはたくさんのお客さんが集まりました。毎回笑いを取っててほんと凄い。

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いつもマイクなしでたくさんのお客さんを前にお話ししています。

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エサを食べながらも渡邉さんの行動が気になるようでチラチラ見ていたマオちゃん。

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コアラのちっさい子!とってもアクティブで可愛い!東山動植物園にはとてもたくさんのコアラがいて繁殖にも次々成功しているようです。

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ベニイロフラミンゴの皆さん。雛は生まれたかな?

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アクシスジカの凛々しい姿。

とってもとっても広い東山動植物園。全部回りたい場合は朝一からの入園が必要だと思います。これまでに30回ほど訪れているかと思いますが、また泊まりで行って北園も回りたいと思います。

そんなわけで、長い記事を最後まで読んでくださりありがとうございました。

投稿者について

愛象写真家です。国内外のアジアゾウを撮り続けて10年。2014年、初のタイのチェンマイ訪問。2018年にはタイのスリンで象祭りを撮影しました。ゾウだけの写真展も不定期で行っています。兵庫県神戸市出身、神戸在住。

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